猫の病気

猫のよくある病気

腎不全

腎不全

猫の病気のうち、最も死亡原因となることが多いのが「腎不全」です。腎不全の症状として、「痩せてきた」「食欲が落ちている」「水を頻繁に飲む」「1回の水を飲む量が以前よりも増えた」などがあります。しかし高齢になると自然と体重が減少したり、食欲が減退したり、また水を飲む量が増えるため、なかなか飼い主様が腎不全に気づくことができないという特徴があります。
ですので、特に高齢の猫は当院で定期的な健康診断を受けられるか、毎月体重を量るなどして変化に注意するようにしましょう。

呼吸器疾患

猫喘息

猫にも喘息があります。疲れやすかったり、咳をしたり、息が苦しくなる病気で、重症化すると肺が機能しなくなり呼吸困難になります。猫の喘息はハウスダストなどのアレルゲン吸入によるⅠ型過敏性反応と考えられていますので、早期に治療を開始することと、生涯に渡って管理する必要があります。レントゲン検査や血液検査を実施しますが、診断は臨床症状や治療に対する反応も含めて総合的に判断します。気管支拡張剤やステロイドを用いて治療を行いますが、近頃では、ステロイドの吸入療法の有効性が高いことが証明されています。 初期の喘息のうちに治療して、進行を止めることが大事です。進行して肺が線維化したり、肺気腫になったりしてもとに戻らなくなると呼吸困難で死んでしまうこともある怖い病気です。猫が咳をしていたらお早めにご相談いただくことをおすすめいたします。

皮膚の病気

アレルギー性皮膚炎

身の回りにあるものが、すべてアレルギー性皮膚炎の原因となります。
大量の黒い耳垢が出ることと、ひどい痒みのため頭を振ったり、足で掻いたりします。
現在、背中につけるだけで治療できるタイプのものもあるため、通常から予防することも大事になってきます。
治療後も耳垢が残りやすい場合があります。

ストレスによる脱毛症

猫も人間と同じでストレスからくる脱毛症があり、頭や肩などの毛が局所的に抜けることがあります。
猫がストレスを感じてしまうと、そのストレスを発散させようとし、過剰グルーミング(痒みや違和感があるため気にして舐め続けてしまうこと)を行います。前足や腰、背中等の一箇所を継続的に舐め続けその部分の毛がしだいに抜けていきます。
何でもない猫でも身体よく舐めてグルーミングはしますが、ストレスを感じている猫の場合のグルーミングは、異常で毛が無くなるまでやってしまいます。この過剰グルーミングは飼い主の前ではやらないことが多く、どこか飼い主からは見えないところや夜間にやってしまって、気が付いた時には毛が薄くなっていることが多いようです。

耳の病気

外耳炎・中耳炎
外耳炎・中耳炎

外耳炎は「寄生虫(耳疥癬)」「細菌」「異物」「真菌」「アレルギー」など様々なことが原因となって発病するため、耳掃除を行えば予防できるというものではありません。ですので、当院で適切な処置を受け治療させることをお勧めします。
また中耳炎は症状が進行すると鼓膜が破けたり、耳の中に水や膿が溜まった袋ができたりすることがあります。さらにそれが内耳、前庭に拡大するケースもあります。

猫は耳の中を触られることを嫌うため、外耳炎・中耳炎をきちんと治療するためには、麻酔を使用しなければいけないケースもありますが、高齢の猫の場合には麻酔を使用しても問題がないか、しっかりと検査し安全を確認してから治療を行います。

耳ダニ

主に外耳道の皮膚表面に耳ダニが寄生して発病する病気です。この耳ダニが寄生すると、耳が痒くなるため頭を大きく振ったり、足で耳をかいたりします。

耳血腫

耳たぶが何らかの原因で内出血を起こし、内部に血が溜まることで腫れを引き起こします。この耳血腫は治療が遅れると耳介の軟骨が変形し、耳の形がいびつになってしまうことがあります。
内出血により耳が腫れて重くなってしまうため、耳が垂れたり、痒みのために頭を大きく振ったり、足でかいたりします。
治療方法としましては、「血を抜く」「手術をする」「薬物治療」などがあります。

消化器系の病気

猫膵炎
胃潰瘍

膵炎とは、文字通り膵臓が炎症を起こしている状態を指します。膵臓は、消化酵素を作って食べ物を消化する機能と、インスリンを分泌して血糖値を下げる働きがあります。そのため、膵炎ではそれぞれの機能が障害されますので、嘔吐や腹痛、消化不良、糖尿病などを引き起こします。
しかし、猫の膵炎では吐き気を示さず、食欲不振になるだけの症例もいるため診断が遅れることがあります。
現在のところ、原因は解明されていませんが、過食や高脂血症、腸炎や胆管炎なども要因の一つと考えられています。膵炎は、血液検査で膵特異リパーゼを測定したり、腹部超音波検査を実施して診断します。迅速診断キットを使えば、院内で検査可能です。また、他の臓器の異常や炎症の強さなども血液検査で測定することが可能です。治療方法は基本的には対症療法が主体で、嘔吐が激しい場合は吐き気止め、下痢をしていたら下痢止めを、腹痛が強いようであれば鎮痛剤を投与します。猫のすい炎ではステロイドが効果的な場合があるため、状況によっては投与することもあります。
また支持療法も重要で、点滴や強制的な給餌などを積極的に行う必要があります。激しい膵炎は全身への炎症の波及から重篤な症状を示すこともありますので、早期診断が重要となるため、食欲不振だけしか症状がない猫ちゃんでも長引いている場合はご相談ください。

胃腸炎

胃腸炎には急性と慢性があり、急性の場合には下痢や嘔吐などの症状が表れます。特に炎症がひどい場合には、頻繁に嘔吐を繰り返すことで食欲が減退し、水を飲んだだけでも吐くようになります。
慢性の場合には下痢、嘔吐などの症状が間欠的に表れ、体重が減少したり毛づやが悪くなったりします。

巨大結腸症

結腸が異常に拡張することで排便が困難となり、慢性的な便秘を引き起こす病気です。換毛期の長毛種によくみられる病気で、結腸の神経異常や脊髄疾患以外にも、食生活の変化や環境の変化によるストレスなどが原因となって発病するケースもあります。

腸閉塞

腸閉塞とは異物や腫瘍により腸管内容物が通過障害を起こすことで、腹部の膨張、嘔吐などの症状を引き起こす病気です。
この腸閉塞は「異物の飲み込み」により起こることが多い病気ですので、「普段から猫が飲み込みそうな物を放置しない」といった対策が重要となります。

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