心臓の周囲には心膜と呼ばれる袋があり、心膜水という少量の水で満たされています。ここに大量のお水が貯まると、心臓が圧迫されてうまく動けません。放っておくと死んでしまう危険な状態です。このことを心タンポナーデといいます。
犬では80%が血管肉腫という心臓の腫瘍からの出血といわれています。
発見したら、すぐに液体を抜かないと死んでしまいます。心臓のそばまで針を刺すのは怖いのですが、痛くないように局所麻酔をしてから超音波で心臓を見ながら実施します。先日、同じ病気のワンちゃんを拝見する機会がありましたが、心膜水を抜いて、現在は何とか小康状態です。
急にワンちゃんが動けなくなったり、息が荒くなったりしたらすぐに病院に行きましょう。
余談ですが、6歳や7歳以上になったら、お腹と心臓の超音波検査と胸のレントゲン検査を行うと、悪さをする前の腫瘍が見つかるかもしれませんので、定期的な検査をお勧めします。ご不安な方はご相談ください。

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