Update on Treatment of Feline Infectious Peritonitis: European Advisory Board on Cat Diseases (ABCD) Guidelines.

2026年にヨーロッパの猫疾病諮問員会がUp dateしたFIPの治療方法の論文です。勉強した内容を備忘録的な感じでブログに載せていきます。

抗ウイルス療法 GS-441524
GS-441524はヌクレオシド誘導体であり、治療成功率は80%から100%の範囲である。GS-441524は痛い皮下注射によって投与されていたが、現在では、安価で受け入れやすい経口薬のGS-441524製剤が利用可能となった。現在、静脈内注射可能なレムデシビルは経口投与が困難な重篤な猫に対し、治療の初期段階でのみ使用される。GS-441524を15 mg/kg q24h POはFIPのあらゆる病型に対して有効であるが、眼症状や神経症状を伴う猫に対しては、10〜15 mg/kg q12hで投与することも選択肢となる。多くの研究では84日間の治療コースが用いられてきたが、300頭以上のFIP症例が、42日間の治療によって良好な治療成績を得た。
GS-441524の副作用として、ALT値の上昇、リンパ球増加、好酸球増加、下痢、嘔吐がある。FIP治療後2年以内に大細胞型リンパ腫が2%で発生した割合は、一般的なリンパ種の発生率よりも高い。

レムデシビル
レムデシビルはGS-441524 のプロドラッグで、高価であり、通常、静脈内または皮下注射のいずれかで投与されてきた。レムデシビルが利用可能な唯一の抗ウイルス薬である場合や、猫が経口薬に耐えられない場合は静脈注射が必要になる場合がある。

モルヌピラビル
モルヌピラビルは経口投与で、体内で速やかに加水分解されて活性代謝物であるEIDD-1931となり、ウイルスに対して致死的な変異を誘発する。猫における有効率は84日間の治療期間で72%~91%と報告されている。副作用は高用量で重度の白血球減少症や好中球減少症、軽度のALT上昇、嘔吐、下痢などが認められる。

グルココルチコイド
グルココルチコイドで治療されたFIPの生存期間中央値はわずか8日であり、単独では治療効果はない。しかし、抗ウイルス薬と併用する形で、ぶどう膜炎や神経症状に対する抗炎症用量のプレドニゾロン(1 mg/kg/day)、あるいはFIPに関連する免疫介在性溶血性貧血に対する免疫抑制用量のプレドニゾロン(1~2 mg/kg/日)投与などが挙げられる。

みや動物病院