皆様、暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?そんな状況にあわせて熱中症について説明します。
熱中症とは、高温環境による身体の障害で、犬では体温が41℃を超えると細胞障害を生じ始めます。
診断するためには、飼い主様からの情報が大事で、熱射病を疑わせる高温環境下、車中への置き去りなどがあれば疑います。同時に徹底した身体一般検査が重要となります。(1)意識障害(2)高体温(3)いろいろな臓器における機能障害の発生を確認することで熱射病と診断します。
検査と並行して、酸素吸入と冷却を迅速に開始します。冷水浣腸や動脈周囲の冷却を行い体温を下げます。あとは障害の出た臓器に応じて治療方法が異なります。
肺水腫を起こして呼吸が苦しければ、利尿剤を使ったり、脳が腫れて痙攣をおこしていれば抗痙攣薬や脳の腫れを取る薬を使います。また、心臓が悪くなっていれば不整脈を治す薬や強心剤を使います。胃腸障害を起こす場合もあるので、胃腸粘膜の保護剤や胃酸の分泌抑制剤を用います。
また、熱中症の回復する確率は、高体温であった時間が長いほど低くなりますので、来院するまででも、アイスノンや冷房で少しでも冷やしておげてください。
重症な動物が運ばれてきた場合は診察を一時中断して集中治療にあたる場合があります。お待ちいただく場合がございますが、何卒、ご了承くださいませ。

みや動物病院