消化器型リンパ腫
リンパ腫は「リンパ系細胞の悪性腫瘍」で、体の発生部位によってさまざまな症状を示します。進行すると最終的にワンちゃんが亡くなってしまう怖い病気です。
わんちゃんのリンパ腫は珍しい病気ではなく、発生率は 10 万頭に 6 ~ 24 頭であるといわれています。原因は未だ解明されていません。
もっとも一般的な発生部位は体中のリンパ節が腫れるタイプで、抗癌剤治療に反応がいいと言われいます。 85%のワンちゃんが抗癌剤によって癌が見た目上消えた状態(完全寛解といいます) になり、通常の生活に戻る事ができます。 治療後の寛解期間はバラバラで、 3 ヶ月から 4 年以上に及ぶ事もあり、完全治癒する例もあります。(中央生存期間は約 1 年で2年生存率 は25 %といわれています)。
今回は、治療成績の悪い消化器型リンパ腫について書きます。他のリンパ腫に比べて、寛解率も中央生存期間も悪いのが現状です。しかし治療しなければ余命平均 30 日~ 60 日です。
診断方法は内視鏡をお口から入れて、胃や十二指腸の粘膜を少し採取して病理組織検査や遺伝子解析を行います。診断後は抗癌剤を使うのですが、ただでさえ癌で吐いたり下痢をしたりしているので、抗癌剤の副作用にも気を付けないといけません。なかなか手強い癌なので、最初の治療で良くなっても、しばらくすると再発してくることが多いようです。
早期診断と早期治療が必要な病気なので、下痢が治らずにお困りの時は是非ご相談ください。