椎間板ヘルニアの治療には内科療法と外科療法があります。

内科療法は、症状の軽い子に対しておこなわれます。内科療法の基本は、脱出した椎間板が安定する4〜6週間安静になります。安静というのはケージレストといって、狭いケージの中でじっとさせておくというかなり積極的な安静が必要です。
また、内科療法では、NSAIDS(非ステロイド系消炎鎮痛剤)またはステロイドの内服やその他薬物、レーザーなどを併用する場合があります。

外科療法は原因となっている椎間板の場所を特定し、取り出すことです。術後は早期にリハビリをおこなっていきます。

胸腰部椎間板ヘルニアのグレード別の改善率の表を下にのせておきます。

グレード1は痛みだけの場合で、内科療法で90%、外科療で 90%は治ります。
グレード2は不全麻痺、運動失調、歩行可能な状態で、内科療法で85%、外科療法で95%は治ります。
グレード3は麻痺、自力歩行不可能な状態で、内科療法で85%、外科療法で90%は治ります。
グレード4は麻痺、自力排尿不可能な状態で、内科療法で80%、外科療法で90%は治ります。
グレード5は深部痛覚消失した状態で、内科療法では<5%、外科療法でも60%しか治りません。

グレード4までは内科療法に比べて外科療法は10%程度改善率が高いだけです。ただ、グレード5になると、内科療法では改善率は5%以下で、外科手術でも改善率は60%程度です。脊髄軟化症といって命に係わる病態に進行することもあるので注意が必要です。
当院では、大学病院や高度医療施設と連携して治療にあたっています。

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